シークレット・ガーデン
どうにでもなれ…
真彩はバッグのポケットを探り、スマホを取り出す。
(司からだ…)
『砂川 司』の文字を目にした途端、真彩の心は早やる。
携帯電話が大好きな理亜が手を伸ばすのを避けながら、開いてみた。
[今、どこにいるの?
携帯、家に置き忘れて、今帰宅してメール読んだ。
いろいろあったみたいだね。
家に帰りたくないなら、ウチに来れば?
有給溜まってるし、渚と釣りでも行こうと思って、明日ちょうど休み取ってるんだ。
久しぶりに、真彩と色々話したい。
親は昨日、宮古に帰ったし、真彩さえ良ければ泊まっていってもいいよ。
渚も真彩と理亜に逢ってみたいって。]
泊まっていく………
真彩は口の中で呟く。
思いがけない司からの返事だった。
司の住む川崎へ向かう電車の中は、とても蒸し暑かった。
真彩と理亜の身体は、ぴったりと密着しているから余計そう感じる。