シークレット・ガーデン


結婚後は、取り敢えず旦那の社宅に移り住んだ優美子は、

「社宅がこんなに居心地の悪い場所だと思わなかった…
ボス主婦みたいのがいて、『仕事してたら、なかなか子供出来ないわよ』

なんて初対面で言うの。早くマンション買おう!」

と眉を顰める。


久しぶりにあった親友とのデートは、
話題が尽きない。

真彩は、コーヒーをおかわりした。



去年8月に断わり切れない親戚のツテでしぶしぶ見合いをしたという優美子の話は、メールではきいていた。


それでも、優美子本人の口から直接聞くと、真彩はお腹を抱えて笑ってしまうのだった。


「正直ね〜写真でもう無理って思ってたよ。何、じゃがいもみたいな人、っていうのが、私の第一印象。
もっちろん、全然タイプじゃない。


でも、うちの母がうるさくって。

「私があんたの歳には、子供2人生んでた」とか「あんまり高齢になってから孫の世話頼まれても困るわ」とかそんなことばっか口癖みたいにいうの。

お見合いして、駄目だったら、少しはおとなしくなるかな、と思ってOKしたの。
美味しいもの食べたかったし。





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