シークレット・ガーデン
「……久しぶりだね」
真彩は、花に向かって声を掛けた。
入賞の赤いリボンのついたプレートには、「カトレア 彩ーーサイ」と記されていた。
「これ、したたかな乙女って感じね……」
隣に立つ優美子が言った。
「そお?」
なぜか認めたくなくて、真彩はわざと素っ気なく言う。
「……ね、実はあの時、何かあった?」
優美子が真彩の顔を覗き込み、いたずらっぽい目を訊いた。
ふふっと真彩は笑う。
「いやね。あるわけないでしょ〜」
…….スカートの裾をくるりと翻して答えた時。