シークレット・ガーデン
「ななななっ!なんでえ⁈」
切羽詰まった声で言い、真彩を大慌てでリビングに連れ出した。
ここで長々と喋っていては、理亜が起きてしまう。
「な、なんで出来ないの?
まさかの生理?腹痛?それとも風邪?…
ぶっちゃけ、俺とはもう2度としたくないとか?」
つばを飛ばさんばかりの勢いに真彩は少し呆れるけれど、こんなコミカルな光俊がやっぱり好きなのだ。
「耳貸して…」
と言って、光俊の頭を抱えるようにして囁いた。
「…あのね、私、赤ちゃん出来たみたい。だから、激しいの出来ないの……」
真彩の告白に、光俊が天を仰いで、うお〜っやた〜と大歓声を上げた。
隣室から理亜の「うわあん」という泣き声がして、光俊は肩を竦める。
窓辺の白いカトレアの花びらが、わずかに揺れた。
真彩には、カトレアがクスクスと笑っているにようにみえた。
……大きな身体を折り曲げるようにして。