シークレット・ガーデン
司からのメールもまだ来ていなかった。
昨夜着たメールに、
[明日の金曜の夜、会社で送別会があり、渚を同じ保育園のママ友に泊まりで預かってもらって参加する]と書いてあった。
極力、断るようにしているが、どうしても付き合わなければならない酒の席がある時は、そのママ友に頼むのだという。
久しぶりに会社の仲間たちと酒を酌み交わし、楽しんでいることだろう。
この時間なら、二次会に行っているのかもしれない。
(光俊としている最中に司からメールが来たら嫌だな…)
真彩は思う。
自分のことを思いながら、メールを打ってくれるのに、夫とベッドで絡み合っているのでは、なんとなく、司に悪い気がしてしまう。
理亜は、ベビーシートに乗せて車を走らせると、ものの10分も経たぬうちに安らかな寝息を立て始めた。
「やった!作戦成功」
Vサインを出し、得意げな光俊。
真彩は理亜をそっと抱っこして、車から降ろし、そろそろと赤ちゃん布団に寝かせた。
時刻は、夜11時。
「すっげえ、セーラー服の真彩、可愛い!」
ベッドに横座りして、照れ笑いをする真彩に、光俊はガッツポーズをして嬉しそうに叫んだ。