シークレット・ガーデン
真彩は泣きながら、セミロングの黒髪を揺らして首を横に降る。
…100%自分が悪い。
それはわかっていた。
でも、出来なかった。
「真彩を信用したいから、メールを読ませて」という光俊の要求に応じることは。
「それは、嫌…」
「…どうして?何もないなら、見せれるはずだろ?」
「見せたくない……!」
真彩が涙ながらに答えた時、光俊の口元が哀しげに歪んだ。
パシッ!という音と共に、真彩の左頬に鋭い衝撃が走った。
「きゃっ!」
真彩は弾みでバランスを崩し、よろけて壁に背中と後頭部を強く打ち付けた。
頬が熱く、ジンジンと痛かった。
「……嘘…酷い…」
頬や頭の痛みより、光俊が自分の頬を打ったことの方が、ショックだった。
「ぶつなんて…そんな人だったの…?」
全身が細かく震える。
涙が止めどなく溢れて、光俊がどんな表情をしてるかも見えなくなった。