イケメンルーキーに恋をした
白いユニフォーム姿で、右脇に抱えていたボールをお腹の前で両手で抱え直す。
「特別なんでしょ」
「え!?」
さおりに聞かれて声が裏返る。
さおりはあたしの反応に興味が増したのか、楽しそうに目を輝かせてあたしに耳を近づけてきた。
「ねぇねぇ、好きでしょ? 田尾くんのこと」
「え? だ、ばっ、なんで?」
焦り過ぎてわけのわからない返事をすると、さおりは体をのけ反らせてケラケラ笑った。
「アッハッハ……何その反応……ククク……わっかりやすっ!!」
ボールと一緒にお腹を抱え、さおりは目に涙を溜めて爆笑した。
カァッと熱を持ちだすあたしの顔。
急に恥ずかしくなって、唇を噛んで目を泳がせながら手に持っていたファイルで顔を扇ぐ。
「大丈夫、誰にも言わないって」
「大丈夫って、別に好きなんかじゃ……」