イケメンルーキーに恋をした
「今更何聞いてんの? あたしの態度を見てたらわかるって、何人にも言われたよ? 多分、女バスはみんな知ってる」
さおりはそう言って、お茶目に肩をすくめた。
「あんたも認めなって!! 好きなことはもうバレてんだからさ」
冗談めかして言って、さおりがあたしに体当たりしてくる。
「だっ、だからあたしは別に好きってわけじゃ……」
ダァァァン!!!!
突然大きな音が体育館中に響き、あたし達は肩をビクつかせて会話を止めた。
大きな音と共に足元に地響きまで感じて、音のした方に目を向けると、3年の日野先輩と田尾くんが険悪な雰囲気になっていた。
さっきの音は、先輩がボールを床に叩きつけた音だろう。
あたしはさおりと目を見合い、すぐにふたりに駆け寄った。
「おいっ田尾!! おまえ調子乗ってんの? 入って来たばっかなのに口答えすんなって!!」
日野先輩の怒鳴る声が、体育館中に響き渡り、女バスやバレー部員達の動きがピタリと止まる。