イケメンルーキーに恋をした
振り返りもせずに田尾くんに声を掛けられ、ドキリと肩が跳ねる。
田尾くんはシュートを打って足元に転がって来たボールを拾ってから、あたしをゆっくり振り返った。
「俺のあとコソコソつきまわすとか、すごい趣味持ってますね、ミニ先輩」
田尾くんの一重の目が、あたしに向けられる。
だけど、そこに鋭さはなく、半ば呆れたような眼差しだった。
「あ、あの……」
何から言えばいいんだろう……。
田尾くんを探しといて、言うことがまとまってない……。
「どうして、日野先輩と言い合いなんかになったの?」
ジッと、田尾くんと目が合う。