イケメンルーキーに恋をした

「とにかくまぁ、放課後速攻アイツの教室に行ってみよう」


「え？　行くんですか？」


「行くよ!!」


先輩は少し向きになって口を尖らせながら言うと、ライバル対抗心むき出しの炎を背中にメラメラとさせ、拳を握った。


「俺のクラスに勝って優勝したんだ。これはもうバスケ部に入るしかないだろ」


「な!!」と、あたしに同意を求めてきたけど、あたしは先輩に苦笑しながら適当に頷いてみせた。


確かに、あたしも彼が欲しいと思った。


彼のクラスが優勝出来たのは、彼のおかげだ。


あまりやる気はみられなかったけれど、彼の手にボールが回れば確実に点を入れてた。


ウチのバスケ部は、正直弱い。


この前の試合も一回戦敗退で、新入部員も少なく辞めていく部員もいた。


今、あたしと先輩が必死に彼を欲しているのは、生気の失われつつある男バスを守る為。


このまま先輩が卒業してしまえば、ウチの部はきっと無くなってしまうかもしれない……。