イケメンルーキーに恋をした


「ちょっと!! やめて下さい!! また喧嘩ですか!?」


あたしはファイルを体育館の端に投げ捨て、ふたりの元へ走った。


田尾くんがチームリーダーに選ばれてから、毎日のようにふたりの睨み合いが続いている。


「もうやめて下さい!! 毎日喧嘩してたんじゃ大会で勝てないですよ!? お互いよく刺激し合って……」


「マネージャーは黙ってろよ!!」


キーン……。


日野先輩の怒鳴り声に、耳鳴りがした。


あまりにも大きな声に、あたしは目を瞑り肩をすくめる。


「ろくにマネージャーの仕事も出来ないくせにしゃしゃり出るな」


日野先輩は最後に舌打ちをして、あたしの肩にわざと当たるように体当たりして体育館を出ていった。


日野先輩の体当たりはそんな強くなかったのに、チビのあたしには大打撃……。


よろめいた体勢を整え、ズキズキ痛む肩を押さえた。


大丈夫か?と心配してくれる部員に、曖昧に頷く。


どうしてうまくいかないんだろう……。




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