イケメンルーキーに恋をした
「俺も自分が嫌なんだ。キャプテンの俺がまとめないといけないのに、それが出来なくてイライラしてアイツらに声を荒げてしまった」
先輩が悲しげに笑う。
「神村にも、嫌な思い、たくさんさせたよな」
「いえ!! あたしは大丈夫です。ただ……」
あたしは途中で言葉を区切り、声を床に落とす。
「マネージャーとして、何も出来ないでいるのが、辛いだけで……」
本当に、何も出来ない……。
何をしたらいいのかも思い付かない。
考えてる間に、どんどん部内が険悪になっていって、時間だけが過ぎていく……。
「神村は、ちゃんと俺らのサポートしてくれてんじゃん」
「……え?」
あたしが先輩を見上げると、先輩はいつもの優しいイケメンすぎる頬笑みをあたしに向けてくれてる。
「神村は、いてくれるだけでいい」
「…………」
「それだけで、十分。こうやって、俺の話し相手になってくれるだけでいい」
そう言って、あたしの後頭部をポンポンって撫でてくれた。
あたしの心臓は跳ねあがって、変な緊張で肩がキュッて上がる。
目をパチパチと瞬きさせ、先輩の手が触れた頭をポリポリかいた。