イケメンルーキーに恋をした


一口食べ、すぐに妙な顔つきになる。


「うっわ、あっま……」


うげー。と、不味そうに下を出す田尾くんは、何か口直しを探している。


だけど、机の上にあるのは甘いイチゴミルクだし、口直し出来るものが何もない。


「卵焼きは塩でしょ。どんだけ甘いのこの卵。だから先輩はすぐ太るんですよ」


な、なに……?


「し、失礼な!! 別に太ってなんか……」


「明日からは塩の卵にして下さいよ」


田尾くんは不機嫌にそう言って、ひとり先に教室を出ていったしまった。


その後を、呆れ気味の先輩が急いで追う。


「何なのよ。あたしは甘い卵焼きが好きなの! なんで明日から塩味しなきゃならないわけ?」


あたしは田尾くんの言葉にムスッとして、残りの卵焼きをパクリと頬張る。





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