イケメンルーキーに恋をした


さっきまであんなに食欲なかったのに……。


田尾くんの言葉と行動にムカついたから?


本当に毒舌なんだから……。


「田尾くん、美海にはよくしゃべるよね」


「しゃべるって、殆ど毒舌じゃん。しかもあたしにだけ。他の人にはもっと優しいのに」


「毒舌ねぇ……」


チューッとジュースを吸うさおり。


「毒舌なんて、誰にでも言えることじゃないけどね」


さおりは意味深にあたしを見て微笑み、席をたった。


「あ~あ、お腹いっぱいになったらなんか眠くなったなぁ」


さおりはグーッと伸びをした。


「美海、あたしちょっと席で寝るね。チャイム鳴っても起きなかったらちゃんと起こしてよね」


そう言って、首をグルグル回し自席に戻って行った。


あたしは何だかんだで食べ終わったお弁当をしまい、イチゴミルクにストローを刺す。



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