イケメンルーキーに恋をした


「よかったね」


あたしは田尾くんを見上げて微笑んで見せる。


お姉さん、絶対嬉しいよね。


よかった。田尾くんが入部してくれて。


あとは、先輩達と関係が上手く行けばいいんだけど。


「うわっ!!」


あたしが田尾くんを見上げて口角を上げていると、急に体の位置をずらし直射日光があたしの目を攻撃してきた。


強く目を瞑ると、ケラケラと笑う田尾くんの声が聞こえる。


やったな……。


あたしは右頬を上げピクピクとけいれんさせ、「田尾―!!」と叫ぶ。


「あんたら何やってんの」と呆れ気味に言うさおりと、さおりと目を見合わせ肩をすくめる岩石先輩がやれやれとあたし達を見ていた。





< 139 / 323 >

この作品をシェア

pagetop