イケメンルーキーに恋をした


放課後、男女のバスケ部が集まり合宿のスケジュールを確認する。


バレー部やダンス部の賑やかな掛け声が聞こえる中、あたし達は体育館の隅に集合した。


顧問と男女それぞれのキャプテンが前に出て説明し、あたしは合宿のしおりを開いて一番後ろに立つ。


毎年合宿を行う場所は、学校からバスで約1時間程の所にある『少年自然の家』と言うところだ。


宿舎や体育館、食堂などが揃っているから、夏休みになると色々な学校が合宿に訪れる。


その為、体育館は使える時間が決まっているけれど、3泊4日の合宿の内容はとても濃いものになる。


あたし達はまだ練習試合くらいしか戦えるものがないけれど、これからの為、熱心に頑張らなきゃね。


「先輩」


そっとあたしの隣に来た田尾くんが、しおりで口元を覆うように小声で話しかけてきた。


前では先生たちの説明が続いている為、あたしは声を出さず眉を上げて田尾くんに答える。





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