イケメンルーキーに恋をした
ダメか……。
どうすればいいのかな……。
あたしが俯いて、手に収まったままのコップの行方に困っていたら、スッと誰かがあたしの手から紙コップを抜き取った。
ハッと見上げると、それは田尾くん。
グイッと天井を仰いで一気に飲み干すと、新しい紙コップに並々と注いであたしに差し出してきた。
あたしがコップと田尾くんの顔を交互に見ると、田尾くんは飲めと言わんばかりに顎でコップを指す。
「部員の世話ばっかじゃなくて、自分の世話もして下さいよ」
「……え?」
「取ってないでしょ? 水分、まだ一度も」
そう言えば、そうだ……。
喉、カラカラだ。