イケメンルーキーに恋をした
「ところで、どうだった?田尾くんと日野先輩」
さおりがガバッと体を真っ直ぐに整えてあたしを見てくる。
あたしはただ、肩をすくめるだけ。
「そっか……。まぁ、合宿だからって特別何か変わるものでもないか」
困った表情で、さおりはカレーをスプーンですくった。
「日野先輩、完全にあたしのことも避けてるから、ふたりの仲を持つのも大変でさ」
あたしが言うと、さおりはモグモグ口を動かしながら頷いた。
もう1日が終了。
残りの日で、何か変えることが出来るのかな。
ここで何も出来なければ、もうあのふたりは和解出来ない気がするんだよね……。
あたしは考えながらカレーを次々に頬張った。
あまり辛いのは得意な方ではないけれど、今日のカレーはあまり味がしない。