イケメンルーキーに恋をした
水の減りが遅いあたしを見て、さおりが「珍しいじゃん」と言うほどだ。
だって、本当に味がしないんだもん。
水分だって欲しないくらいに……。
はぁ……。
なんか、疲れるだけだ……。
「あ! 美海!」
食堂から出るところで、急にさおりに腕を引かれ食堂の端に引き寄せられた。
さおりはあたしの耳に顔を近づけてきて、小声になる。
「あたし、この合宿で何かしら先輩にアプローチするつもりだから」
「えっ!?」