イケメンルーキーに恋をした


あたしが大声を上げて目を丸めると、さおりがバシリと頭を叩いてきた。


「声がデカイ!!」


「ご、ごめん。ちょっとビックリして」


あたしは叩かれた頭をさすりながら、ペコリと頭を下げる。


「美海も早く手を打たないと、誰かに先越されちゃうよ」


「先越されるって……」


「これ、あまり言っちゃいけないことだけど」


そこまで言うと、更にさおりは声を潜めた。


「女バスにひとりいるから、田尾くん狙いの人」


……え?


「誰とは言えないけど、この合宿で何か行動起こすはずだよ」


「…………」


「あたしは美海の味方だから。取られないように、自分の気持ちに素直になりなよ」


そう言って、田尾くんの座っている席を顎で小さく指す。


チラリと目を向けると、岩石先輩の隣に座る田尾くんは唐揚げを食べながら先輩と何かを話していた。




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