イケメンルーキーに恋をした
ため息が漏れるほど、不規則に瞬く星はキレイだった。
久しぶりだな、こうやって空を見上げるの。
山の上ってだけで、何だか宇宙にかなり近づいているような感覚になる。
「…………」
微かに人の声が聞こえ、あたしは暗闇を見渡す。
人の姿は見えないけれど、確かに気配はある。
花壇からお尻を上げてその方に近づき、あたしはサッと壁に張り付いて体を隠した。
田尾くんと……女バスの人だ。
宿舎近くの街灯に薄らとふたりの向き合う横顔が浮かび、壁に張り付いた体が震えるように脈打つ。
会話はあまり聞こえないけれど、あれはどう見ても告白とかでしょ?
さっきさおりが言ってた人?
もう行動起こしてるの?
みんなすごい……。
どうしてそんな勇気が出せるんだろう……。
田尾くんの返事……気になる……。