イケメンルーキーに恋をした


「寝ないと、明日も早いのに」


そう言って、田尾くんがどんどんあたしに近づいてくる。


「もう部屋に戻るところだったの!!」


こういうところが子供だと思う。


年下に自分の感情のまま声を荒ぶらせてしまうから。


あたしはサッと花壇から立ち上がり田尾くんの横を通り過ぎようとした。


すると、田尾くんはガシッとあたしの腕を掴んで来た。


ドクン……。


それだけで、あたしの心臓は大きく跳ねる。


「な、何?」


ダメだ……。


田尾くんの顔を見れない。


緊張と、さっきの告白されてるシーンを思い出して、泣きそうになる。


「あ、いや。別に何でもないけど」


田尾くんの手の力が弱まり、スルスルとあたしの腕から離れていく。


あたしもこの隙に早く宿舎に入ればいいのに、足が動こうとしない。




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