イケメンルーキーに恋をした
恥ずかしさのあまり、あたしはファイルでさおりの頭を叩いた。
痛い痛いと、笑いながら逃げるさおりは突然あたしの首に腕を回し耳元に口を近づけてくる。
「一年生のあやねちゃん、昨日田尾くんに告白したらしいよ」
さおりはそう言って、昨日の夜田尾くんとふたりっきりで話していた子を顎で指した。
あやねちゃんって言うんだ……。
やっぱり、昨日告白したんだね。
「まぁ、きっぱり断られたらしいけど」
「っえ!?」
また大声を出してしまい、慌てて口を押さえる。
断られた……。
「でも、まだ諦めてないらしいよ。あの子、バスケでもそうだけど、結構しつこいから」
「…………」
「もたもたしてたら、持ってかれちゃうよ」
さおりが、あたしに頑張れと肩を叩いてくる。