イケメンルーキーに恋をした


合宿二日目の今日は、1,2年と3年にわけて試合形式での練習。


あたしは部員達に向かって声を張り、緊張感を持たせる。


最近いつもふたり一緒にいる田尾くんと岩石先輩も、今だけは敵同士。


お互いがお互いのチームを引っ張り、きちんとコート内でメンバーを動かしていた。


「パス回せ、パス!!」


岩石先輩の声が飛んだかと思うと、それに対して田尾くんが急速に反応する。


「先輩!!そこマーク!!」


田尾くんは自分も動きながら、周りの動きもよく見て2年生に指示を出している。


キュッキュッとバッシュの音を体育館に高く響かせ、汗を流しながら走る田尾くん。


カッコイイよなぁ……。


年下だとは思えない程大人びた表情。


田尾くんがただボールを追って走っているだけなのに、いちいち心臓が反応してしまう。




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