イケメンルーキーに恋をした


もう、前のようには戻れないのかな。


先輩たちが卒業するまで、この状態が続くの?


こんなんじゃ、合宿に来た意味がない。


体育館から出ていく日野先輩の後ろ姿がイライラしている。


後頭部をガシガシと激しくかき、両手をユニフォームのポケットに突っ込んで消えていった。


「悪い。試合再開」


パンパンと両手を叩いて気持ちを戻す岩石先輩。


みんな日野先輩の消えていったドアを一度見た後、渋々コートに戻って行く。


この合宿で心をひとつにまとめて、次の新たなステップに繋げられたらいいなって思ってたのにな……。


このままじゃ、いつまでたっても、弱小のままだ。





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