イケメンルーキーに恋をした


部員達はなんとかこのコースを走りきってたのに……。


このまま歩いたら、おじさんの言う通り熱中症になると思って、あたしはコースから少し外れて林の中に入った。


この林がなければ、あたしは確実にひからびて死んでいたかもしれない。


少し奥に入れば、生い茂る木々のおかげで日差しも和らぎ、さっきまで焼けていた肌も少しだけ冷やされる。


だけど、気温まではそこまで変わらず、汗は流れ続けたままだった。


「なんでこんなに暑いの……」


もう体力は限界。


足元がフラフラして力が入らないのに、木々のむき出しになった根っこで足元が悪く、何度か躓く。


少し林の中を歩いた時、体を休めれそうな大きな根っこを見つけた。


そこまで歩こうと、重くなった足を全力であげようとした。


その時……。


「ギャー!!」


思ったよりツルツルしていた根っこの表面。


足を乗せた瞬間足が滑って、足をくじいてしまった。




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