イケメンルーキーに恋をした
せき込むと、みんながあたしを心配して声を上げた。
「……先輩……あたし、足を……」
やっとの思いで声を出し、くじいてしまった足を指差す。
「めっちゃ腫れてんじゃん!!」
あたしの足首を見た先輩が、目を丸めた。
やっぱり、腫れてきたんだ……。
結構くじいたからな……。
でも……。
あたし、生きてるんだ……。
安心したら、また意識が遠退いて行きそうになって、あたしを抱きかかえる田尾くんが「先輩」と呼びかける。
「……ごめんね……。心配、かけて……。あたし……日野先輩を追いかけて……」
そこまで行った時、近くで木の枝を踏む音がしてその方にゆっくり顔を向けた。
薄暗くなっていたのとぼやける視界でピントを合わせにくい。
「日野」