イケメンルーキーに恋をした
「俺らをまたひとつにしたいっていう神村の思い、おまえ気づかなかったのか? 自分の言動のせいで神村がどういう動きに出るか、わからなかった?」
……岩石先輩。
「おまえは、神村の気持ちも、俺らの気持ちも裏切った」
「…………」
「もう、いい加減に……」
「……い」
ぼそり。と、震える声で日野先輩が言った。
「悪い……。悪かった」
苦しそうな、日野先輩の声。
「くだらない意地張って……みんなに迷惑掛けた……」
みんなの視線が、日野先輩に集まる。
「俺……バスケが大好きなんだ」
「…………」
「大好きだから、いきなり田尾が入ってきて悔しかったし、田尾に追いつけない自分の実力が恥ずかしかった」
日野先輩……。
「だけど、意地を張れば張るだけ実力は落ちていくし、その間にも、田尾はどんどん力を付けていくしで、俺、正直焦ってた」