イケメンルーキーに恋をした


「ごめんね、さおり。心配したでしょ?」


「美海のことだから何かしら問題起こすだろうとは思ってたけど、まさかこんなことになるとは思わなかったよ」


さおりはそう言って、「本当に大丈夫?」と、組む腕の力を強めてあたしを覗き込む。


あたしはさおりに微笑み、「大丈夫」とさおりの腕を撫でた。


お母さんが退院の手続きをしに行っている間、さおりと田尾くんが飲み物を買ってきて来ると病室を出ていき、あたしは岩石先輩とふたりっきりに。


「よかったよ、神村がよくなって」


先輩は病室の窓から空を見上げたあと、ベッドに腰かけるあたしを振り返った。


「いつも勝手な行動ばかりしてすみません。田尾くんにも単独行動はするなって怒られたし」


あたしが苦笑すると、先輩は壁に寄り掛かりながらハハハと笑った。


「先輩、田尾くんから聞きました。先輩がみんなから情報を集めてあたしを探してくれたって」


「ありがとうございました」と頭を下げる。




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