イケメンルーキーに恋をした
「なかなか戻って来ない神村が心配だったからさ」
先輩を見上げると、窓から差し込む日差しで先輩がキラキラ輝いて見える。
「マジで心配したんだからな。水分も取ってないだろうし、この暑さの中死んでるんじゃないかって」
先輩があたしの隣に来て座る。
先輩は少しムスっとした顔で微笑んだ。
「まぁ、神村のおかげで部員達の雰囲気も前みたいに戻ったし、もうこんなことになることはないと思うから」
そう言って、岩石先輩がニッコリ笑う。
そして……。あたしの頭を優しく撫でた。
「ありがとう。神村は最高のマネージャーだよ」
先輩の手の重みで顔が下にさがり、あたしは唇を噛みしめて照れ笑いをした。
「ハイハイ。イワシ先輩」
「うわっ!!」
あたし達の間に急に後ろから手が伸びてきて、先輩の頬に炭酸の缶が触れた。
冷たかったのか大声を上げて立ちあがった先輩が、慌てて口を抑えて周りに頭を下げる。