イケメンルーキーに恋をした


「で、参加条件って何なんすか?」


語尾に少し力を入れた田尾くんは、美しいフォームでシュートを決める。


ゴールに当たってグルグル回ったボールは、吸い込まれるようにして網をすり抜けていった。


「田尾くんは興味ないんでしょ?じゃ知らなくてもいいじゃん」


意地でも言いたくなくて、子供のように拗ねる。


参加できるか出来ないか、これは運だ。


まぁ、今年どんな方法で選ぶのか次第だけれど。


「おーい!集合」


パンパンと手を叩いた岩石先輩が、体育館の端に部員を集めた。


「文化祭のあの例の企画、みんな見ただろ?」


岩石先輩の言葉に、集合したみんながコクコクと頷く。


「今年も、女バスと男バスの中からひと組選ぶことになってるから」


チラリと女バスを見ると、こっちと同じように企画についての説明がちょうど始まってるようだった。


「まず、参加条件として、彼氏彼女がいない人限定。はい、いるヤツ手を挙げて」



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