イケメンルーキーに恋をした
小さなカゴの中には、残りのクジが一枚。
そっと小さく折られた紙を取り、ギュっと目を閉じた。
神様……。
何でも言うこと聞きますので、どうか力を貸して下さい。
あたしは怖くて、紙を開けることが出来なかった。
女バスと男バスが集まり、岩石先輩が番号を読み上げていく。
「1番の人~」
男バスからひとり、女バスからひとり手があがり、二人三脚の相手に。
「2番の人~」
次々と呼ばれていき、周りは何だかみんな楽しそうに笑っている。
不安で一杯なのはあたしだけなの……?
「4番の人~」
「はい」
返事の声に、ドキリと心臓が跳ね全身に電気が走った。
た、田尾くん!?
こんなに早く呼ばれるなんて!!
ああ、もうダメだ……。
せっかくのチャンスだったのに……。