イケメンルーキーに恋をした
まぁ、チャンスって言っても、文化祭で告白出来るかって言われたら絶対出来ないんだろうけど……。
「お~い。女子の4番~」
岩石先輩が女バスの方に首を伸ばす。
「ちょっと、美海!! ちゃんと番号見たの?こっち誰も手挙げないんだけど!! 美海なんじゃない!?」
さおりに小声で言われ、あたしは「そんなわけないじゃん」とため息交じりに言って、諦めて紙を開いた。
「……え。4番だ」
あまりにも驚きすぎて、かなり低い声が出てしまった。
口も目の限界まで開いて、全く可愛くない。
「神村? なら早く前に出て」
「え、あ、はい」
あたしは岩石先輩に言われるままに頷き、カクカクと驚きで筋肉の固まった体を動かす。
「ミニ先輩ッすか? 俺のパートナー」
ぱ、パートナー!?
もう、何を言われても過敏に体が反応する。
あたしが田尾くんを見て体をのけ反らせると、田尾くんは口元に手の甲を当てプッと吹き出した。