イケメンルーキーに恋をした


「ミニ先輩、運動出来るんすか?」


ふたりひと組になり、それぞれ足をハチマキで固定している中、田尾くんがあたしの隣で眉を潜めた。


「運動、出来ると思う?出来てたらあたしマネージャーじゃなくて女バスに入ってるんですけど」


あたしが言うと、田尾くんは迷惑そうに顔を歪めた。


「な、なによ、その顔……。別に、この競争に負けたら文化祭あたしと一緒にいなくていいから逆にラッキーでしょ?」


そう。


この二人三脚で勝った組みだけが、この企画への参加資格が得られる。


負ければ、これでおしまいだ。


「それもそうっすね」


「…………」


ああ、そう。


あたしと一緒にいたくないわけね。


あたしは小さく舌打ちをして、田尾くんの足と自分の足をハチマキで固定しようと身を屈めた。


彼の左足とあたしの右足を結ぼうとすると、バランスが取れなくて体がよろける。





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