イケメンルーキーに恋をした

「みんな準備できたか？」


さおりとペアになった岩石先輩が、ふたり足をハチマキでしばり部員達に声をかけた。


さおりを見ると、先輩と密着出来てとても幸せそうだ。


「去年までは優勝した組みが企画に参加してたけど、みんなあまり出たくなさそうで本気出してなかったから、今回は最下位の組みが参加することにするから」


「え～!!!!」


みんなからブーイングが飛ぶ中、あたしの隣の田尾くんは大きくため息を吐き眉間を押さえた。


あたしは田尾くんに苦笑いで答える。


「俺、嫌な予感するんすけど」


「まぁまぁ、何かしらキセキが起こって勝つかもしれないじゃん」


肩を落とす彼をなだめたけど、あまり効果はないようだ。


ていうか、そんなにあたしとペアで参加するのが嫌なの……？


今回の選出方法は、ペアで体育館を１周し、男女ひとりずつシュートを決めなければならない。


一番遅かった組みが、企画に参加することになる。