イケメンルーキーに恋をした


バスケットゴールは体育館に4つ。


4組ずつスタートし、タイムが一番遅かったグループを決める。


あたしと田尾くんは最後のグループに周り、色々作戦を立てた。


「ミニ先輩いいっすか?力まずスッとボール投げて下さいよ」


「う、うん。わかった。力まずね」


あたしはゴクリとつばを飲み込み、田尾くんと足が繋がったままスタートを待つ列の最後尾でボールを構える振りをする。


「違う。もっとこう。右手傾けすぎ」


ふわっと、田尾くんがあたしの背中を包み込むように後ろに周り、ボールを構える右手の傾き加減を調節してくれる。


激しく暴れる鼓動のせいで、小刻みに体が震える。


あたしの右手に触れてる田尾くんにも、それが伝わっているはずだ。


足が繋がっている為、田尾くんの顔があたしの耳のすぐ後ろにあり、彼がしゃべる度に息がかかる。




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