イケメンルーキーに恋をした
チラリと、真横の田尾くんを見た。
真剣に、あたしの構える手を見上げ、細かく説明をしてくれているけど、その声はとても遠くに聞こえぼやけて聞こえる。
彼の、横顔のピンと張った顎のライン。
少し上を見上げて強調されている、喉仏。
あたしの手に触れる、ゴツゴツしているけれどとても優しい手つきの指のキレイな手。
完璧だ。
神様は、彼をあまりにも完璧に作り過ぎてる。
彼が毒舌なのは、完璧に作り過ぎてしまったからと、神様が少し欠点を入れたのかもしれない。
「聞いてます?」
ポーッと彼を眺めていると、田尾くんの鋭い視線が下りてきてあたしは慌てて思考を戻した。
「え?あ、ああ。うん!聞いてる」
適当に返事を返した時には、とうとうあたし達のグループのスタートになっていた。
最後のグループは、あたしと田尾くんチーム、岩石先輩とさおりチーム。
そして……。