イケメンルーキーに恋をした
「先輩、田尾くんの足、引っ張らないで下さいね」
あたしの隣に来てぼそりと呟いた、あやねちゃんと日野くんチーム。
あやねちゃんの声は、多分あたしにしか聞こえていないと思う。
彼女とは全く話す機会がないから、今の態度と発言に怖くて寒気を感じた。
あやねちゃんって、こんな子だったの?
さおりはあやねちゃんの性格について何も言ってなかったけど……。
この冷たい態度、もしかしてあたしにだけ向けられるの……?
まだ、田尾くんのこと、諦めていないんだ……。
「どうかしました?」
ソワソワは隣のあやねちゃんのことを気にしてると、田尾くんがあたしの顔を覗き込んできた。
「え?ああ、ううん。ただ緊張してきただけ」
曖昧に笑って見せると、田尾くんは怪しいと言うような表情であたしの顔をジーッと見てきた。
「準備はいい?」