イケメンルーキーに恋をした


2位は、あたし達。


そしてすぐ後ろに、あやねちゃんと日野先輩チームが迫っていた。


田尾くんのせいで早くなってる脈拍と足の動きが合わなくて、あたしは彼と足の動きがずれ何度も何度も立ち止まる。


「何やってんすか!! 真面目にやって下さいよ!」


あたしのあまりにも酷い運動音痴さにイライラしたのか、田尾くんがため息交じりに言う。


「ご、ごめん。もう一回落ちついてやろう」


「落ちついてないのは先輩の方でしょ?いいっすか?先輩は俺に体を預ければいいんですよ。俺が先輩を動かせるようにしますから」


グイッ。


あたしの腰を強く引きよせた田尾くん。


グラついた体は磁石のように田尾くんにくっ付き、肩がグイッとあがる。


田尾くんの掛け声に合わせて、一歩、また一歩と足を進め徐々にスピードを上げていく。


凄い……。


本当に田尾くんがリードしてくれてる。


足の回転もキレイに合って、さっきよりも走りやすい。




< 208 / 323 >

この作品をシェア

pagetop