イケメンルーキーに恋をした
2位は、あたし達。
そしてすぐ後ろに、あやねちゃんと日野先輩チームが迫っていた。
田尾くんのせいで早くなってる脈拍と足の動きが合わなくて、あたしは彼と足の動きがずれ何度も何度も立ち止まる。
「何やってんすか!! 真面目にやって下さいよ!」
あたしのあまりにも酷い運動音痴さにイライラしたのか、田尾くんがため息交じりに言う。
「ご、ごめん。もう一回落ちついてやろう」
「落ちついてないのは先輩の方でしょ?いいっすか?先輩は俺に体を預ければいいんですよ。俺が先輩を動かせるようにしますから」
グイッ。
あたしの腰を強く引きよせた田尾くん。
グラついた体は磁石のように田尾くんにくっ付き、肩がグイッとあがる。
田尾くんの掛け声に合わせて、一歩、また一歩と足を進め徐々にスピードを上げていく。
凄い……。
本当に田尾くんがリードしてくれてる。
足の回転もキレイに合って、さっきよりも走りやすい。