イケメンルーキーに恋をした
文化祭
文化祭当日は秋晴れとなり、学校中が一気にお祭りモードに。
正門から校舎にかけて長く続くアスファルトの両端に、クラスの出し物がずらりと並ぶ。
輪投げ、くじ引き、射的。
それぞれのクラスが一生懸命準備した楽しいテントがたくさんだ。
あたしは朝からクラスの出し物のたこ焼きの準備で大忙しだった。
あたしは午前中に店番係。
さおりは午後からの係になり、残念ながら文化祭を一緒に回ることが出来ない。
だけど、さおりは岩石先輩を捕まえて一緒に色々見て回ると言っていたから安心した。
「先輩んとこ、たこ焼きなんすね」
あたしがクラスのテントで額に汗を滲ませながら準備をしていたら、ひょっこり田尾くんが顔を出した。
「あ、田尾くん!」
あたしが笑うと、田尾くんは忙しく走り回るテントの中を覗き込んでいた。