イケメンルーキーに恋をした
「あたしは射的とかの方が楽しそうでよかったんだけどね」
「まぁ、俺もミニ先輩からたこ焼きを買おうとは思いませんね」
田尾くんが、サラリと嫌味を言う。
「先輩、午前中だけでしょ?」
あたしは口の端を引きつらせながら、頷く。
「じゃ、俺、午後に買いに来ます」
田尾くんがイタズラっぽくププッと笑う。
「なに!?朝から嫌みを言う為にここに来たの?いいから早く自分のクラスの手伝いすれば?田尾くんのクラスは何をするの?」
荒い口調で早口で言うと、田尾くんは手の甲で口元を隠し更にクスクス笑いだした。
どこまでも、可愛くない後輩だ。
「俺のクラスは、お化け屋敷みたいっすよ」
「みたいっすよって……。自分のクラスなのに」
「部活があって、あんまり準備に関わってないので」
田尾くんは言いながらズボンのポケットからスマホを取り出し時間を確認する。