イケメンルーキーに恋をした
「先輩も、今から自由に回って下さい」
「そうっすかな。じゃな。また放課後部活で」
日野先輩は、繋いでいた方の肩が凝ったのかグルグル回しながら廊下を歩いて行った。
「田尾くん、午後からの予定は?」
なに、この子。
なんでそんなに高い声が出せるの?
あたしの前では超低い声だったじゃん。
「たこ焼き食いに行く」
あやねちゃんの質問に答えた田尾くん。
ふんっ!!
何個でも注文してくればいいでしょ?
今頃さおりが頑張って売ってる頃だよ。
安心して注文しまくってくればいいじゃん。
完全に嫉妬まみれのあたしは、ふたりの会話を聞いて奥歯をギリギリ噛んだ。
「じゃ、あたしも一緒に行っていい?」
「……………」
「あ!田尾くんのクラスのお化け屋敷。午後から確か学年に分けて入れる時間がなかったっけ?」
「ああ、なんかそんなこと言ってたような」