イケメンルーキーに恋をした
袋を閉じてお礼を言うと、岩石先輩はあたしの不器用な微笑みを覗き込んで来た。
「よし、来い」
「えっ!?」
先輩は急にあたしの腕を引いて廊下を歩きだした。
あたしは前のめりになって先輩に必死について行く。
途中何人にもぶつかり、「すみません」と頭を下げながら。
たどり着いたのは渡り廊下。
人が少なくなりようやく先輩が手を離しあたしを振り返った。
「ここならゆっくり食えるだろ?」
「…………」
そうだけど……。
あんまり、お腹もすいてないし……。
でも、せっかく先輩が買ってきてくれたんだし、食べないと失礼だよね……。
先輩をちらりと見ると、渡り廊下の床を顎で指して「座って食え」と言う。
あたしは微笑みながら頷いて、スカートを押さえて座りこむ。