イケメンルーキーに恋をした


「まぁ、言いたくなければいいけどまた合宿の時みたいにひとりで無理するんだったら、今のうちに吐き出してて欲しいけど」


先輩があたしの様子を窺うように眉を上げる。


あたしは苦笑して唇を噛んだ。


「すみません。大丈夫ですよ。心配掛けてすみません。もうあんなことはしませんから」


「ならいいけど」


力み気味に言った先輩が、また渡り廊下から下を見下ろす。


「本当にもう、心配かけないで」


「…………」


「俺、神村に何かあったら、マジで心臓止まりそうになるから」


先輩の茶髪の横髪が、サラサラと風に靡く。


少し長めの横髪が邪魔をしてあまり表情がよく見えないけれど、目を細め遠い眼差しをしてるようだった。


“もう二度と、ひとりで行動しないでください。寿命、縮むから”


あの日、田尾くんから言われた言葉が蘇り、気持ちがざわついた。



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