イケメンルーキーに恋をした
「神村は、笑ってる顔が一番。何があったのかは知らないけど、悩みがあるんならいつでも相談しなよ。神村の力になれる男になるからさ」
……先輩。
先輩は、あたしを見下ろさずに言った。
ずっと遠くを見つめたまま。
その方がよかった。
田尾くんの言葉を思い出して、体が熱くなってたから。
どう、反応をしたらいいのかわからなかったし。
「お~い!! 岩石~!!」
渡り廊下の下から先輩を呼ぶ数人の声がした。
「お~!! もう終わったの?今からそっち行くわ」
先輩が少し身を乗り出しそれに答える。
「悪い神村。ちょっと行くわ」
あたしは微笑んでコクンと頷く。
「それ、ちゃんと全部食えよな」
先輩はたこ焼きを指差し念を押すように言って、手を振って校舎の中に入って行った。