イケメンルーキーに恋をした
「ひとり寂しくこんなところで何やってんすか?」
ドクンッ……。
突然現れた低い声に、心臓が高鳴り勢いよく振り返った。
「……田尾、くん……」
渡り廊下の入り口で、ポケットに両手を突っ込んでこちらを見ている。
「何やってるの?」
「それ、今俺が聞いたんスけど」
不機嫌そうな彼は、眉を潜めてあたしの隣まで来た。
「え、あたしは、別に、その……」
田尾くんの行動が気になっていたくせに、こう突然現れると、田尾くんの口から何が出てくるのか怖くて目を逸らしてしまう。
「お!ミニ先輩、いいの持ってるじゃないですか」
「……え?」
隣に来た田尾くんを見上げると、あたしの手におさまるたこ焼きの容器を見ていた。