イケメンルーキーに恋をした
「これ?」
田尾くんが頷く。
「え?食べたんじゃないの?たこ焼き」
「は?」
「あたしがいなくなってから行ったんでしょ?」
「何言ってんすか?俺、行ってないっすけど」
あたしはわけがわからず首を傾げた。
「だって、あたしが何時までか確認してたじゃん。あれって、あたしの店番が終わってから買いたかったからでしょ?それに、あやねちゃんと食べに行ったんじゃ……」
あたしが一気に言うと、田尾くんは「は?」と呆れ気味に首を前に出した。
「先輩の趣味って妄想っすか?」
「……なっ」
「何俺の行動勝手に妄想してんすか?」
「し、してないよ!!別に妄想なんか!!」
焦ってしどろもどろになる。
確かに田尾くんの行動が気になってはいたけど、妄想とか、直接に口に出して言わなくてもいいじゃん。
あたしの内心がバレてしまいそうで心拍数が上がる。
「別に先輩の交代の時間を聞いたのは、そんな意味で聞いたんじゃないっすよ」
「…………」
「それに、アイツとはすぐに別行動しました」