イケメンルーキーに恋をした
「はぁ?何言ってんすか。つまようじ、もうソースまみれになってるじゃないっすか」
……は?
「俺さっき手洗ったばっかなんで汚したくないんです。だから、はい。んあ」
って、言われても……。
あたしが躊躇っていると、田尾くんは開けた口を更にあたしに近づけてくる。
あたしはつまようじを手に取り、落とさないように慎重に田尾くんの口にたこ焼きを運んだ。
たこ焼きを見下ろす田尾くんの伏せた目元が、かなり色っぽい。
短いつまようじが、あたしの手と田尾くんの口の距離を一層近づける。
一口パクリと頬張ると、田尾くんの目線があたしに上がって来た。
間近で合う視線。
全神経が硬直して瞬きも出来ずにいると、田尾くんは子供のようにニッコリ笑った。
「うまい」