イケメンルーキーに恋をした
第6章
動きだす3人の心
文化祭が終わり、10月になってもなかなか暑さから抜けず制服のシャツを腕まくりする日々が続いた。
真夏よりはマシだけど、部活中も体育館の中は蒸し暑く部員達は少し体を動かしただけで汗だくになっていた。
あたしと田尾くんの関係は……相変わらずなんの進展もないまま。
ただの先輩と後輩として部活で会うくらい。
あたしが勇気を出せたら少しでも前に進めるのかもしれないけど、どうしてもフラれた時のことが頭をよぎって行動を邪魔するんだ。
今日も体育館で部員達のサポートに回りながら、あたしの視線はひとりシュートの練習をする田尾くんに釘付けだった。