イケメンルーキーに恋をした


あたしはさっき選んだマグカップを見せる。


「やっぱり、受験関係になるよね……」


今まで元気だったさおりが急にシュンと肩を落とす。


「はぁ、もうすぐ先輩卒業だよね……。会えなくなるんだ」


ズキン……。


さおりの言葉に、胸が疼いた……。


そうだ。


卒業したら、今までみたいに簡単に会えなくなるんだ。


学年が違うからすれ違う回数は少ないけれど、放課後になれば必ず会えていたのに。


卒業してしまえば、いつ会えるかわからなくなる。


今の時間が、とても大切なのに……。


こうやって、フラれることに怯えて何にも行動を起こせずにいるこの時間って、すごくもったいない時間なのに……。


あたし、何やってるんだろう……。





< 247 / 323 >

この作品をシェア

pagetop